神々の饗宴

『神々の饗宴』
イタリア語: Festino degli dei
英語: The Feast of the Gods
作者ジョヴァンニ・ベッリーニ
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ[1]
製作年1514年 / 1529年[1]
種類油彩キャンバス
寸法170.2 cm × 188 cm (67.0 in × 74 in)
所蔵ナショナル・ギャラリー、ワシントン

神々の饗宴[2](かみがみのきょうえん、: Festino degli dei)は、イタリアの画家ジョヴァンニ・ベッリーニにより1514年に描かれ、画家ティツィアーノ・ヴェチェッリオにより1529年に加筆が行われた絵画である[3]。『神々の祝祭[3]とも。

ベッリーニの晩年の作品であり、自らの弟子たち、中でもジョルジョーネの影響を受けていることがうかがえる[3]ワシントンにあるナショナル・ギャラリーに収蔵されている[2]

作品

古代ギリシャの神々が集っている場面が描かれている[4]

画面左端に見えている、半人半獣の姿を目印とするサテュロスは、その性格から淫欲や悪徳の擬人像とされる。その隣にいる、赤い服を身につけている男性は、田舎の神、シレノスであり、連れているロバが目印となり、怠惰の擬人像とされる[4]

そのロバの前で、ワインを酒樽から注いでいるのは、ワインが入れられたグラスと頭につけたブドウの葉の冠を目印とする酒の神、バッコス(バッカス)であり、しばしば豊穣の擬人像とされる。バッコスの近くで白い服を身につけて座っているのは、商人や旅人の守護神、メルクリウス(マーキュリー)であり、杖とヘルメットが目印で、理性と雄弁の擬人像とされる[4]

メルクリウスの近くで、緑の服と赤いマントを身につけて座っている男性は、海の神、ネプトゥーヌス(ネプチューン)であり、付近の地面に置かれている三つ叉のが目印となり、水の擬人像とされる[5]

脚注

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  1. ^ a b “The Feast of the Gods”. ナショナル・ギャラリー. 2018年12月31日閲覧。
  2. ^ a b 『名画の常識』 2012, p. 165.
  3. ^ a b c “ルーペで見る《うさぎの聖母》”. ルーヴル美術館. 2018年12月31日閲覧。
  4. ^ a b c 『名画の常識』 2012, p. 164.
  5. ^ 『名画の常識』 2012, p. 166.

参考文献

世俗画
肖像画
宗教画
  • 聖母子とパドヴァの聖アントニウス、聖ロクス』(1508年頃)
  • 『十字架を担うキリスト』(1510年頃)
  • 聖家族と羊飼い』(1510年頃)
  • 新生児の奇蹟』(1511年)
  • ジプシーの聖母』(1511年頃)
  • 『キリストの洗礼』(1511年-1512年頃)
  • 『大天使ラファエルとトビアス』(1512年-1514年頃)
  • 『ノリ・メ・タンゲレ』(1514年頃)
  • サクランボの聖母』(1515年)
  • 『貢の銭』(1516年)
  • 聖母子と聖ドロテア、聖ゲオルギウス』(1516年–1518年頃)
  • 『聖母被昇天』(1516年–1518年頃)
  • 『受胎告知(トレヴィーゾ大聖堂)』(1520年頃)
  • 『キリストの埋葬(ルーヴル美術館)』(1520年頃)
  • アヴェロルディ家の祭壇画』(1520年–1522年)
  • ペーザロ家の祭壇画』(1519年–1526年頃)
  • 聖母子と聖カテリナと羊飼い』(1530年頃)
  • 『アルドブランディーニの聖母』(1532年頃)
  • 『悔悛するマグダラのマリア(パラティーナ美術館)』(1533年頃)
  • 『受胎告知(サン・ロッコ大同信会)』(1535年頃)
  • 『聖母の神殿奉献』(1534年-1538年頃)
  • シャッラの聖母』(1540年年頃)
  • 『洗礼者聖ヨハネ』(1540年-1542年頃)
  • 『荊冠のキリスト(ルーヴル美術館)』(1542年-1543年)
  • 『この人を見よ(ウィーン)』(1543年)
  • 『悔悛するマグダラのマリア(カポディモンテ美術館)』(1550年頃)
  • 『アダムとイヴ』(1550年頃)
  • 『ラ・グロリア(聖三位一体の礼拝)』(1551年-1554年)
  • 『聖ラウレンティウスの殉教』(1548年-1559年頃)
  • 『キリストの埋葬(プラド美術館)』(1559年)
  • 『ゲツセマネの祈り』(1558年-1562年頃)
  • 『受胎告知(サン・サルバドール教会)』(1559年-1564年頃)
  • アルベルティーニの聖母』(1560年–1565年頃)
  • 『悔悛するマグダラのマリア(エルミタージュ美術館)』(1565年頃)
  • 『聖マルガリタ』(1565年頃)
  • 『祝福するキリスト』(1570年頃)
  • 『荊冠のキリスト(ミュンヘン)』(1570年頃)
  • 『聖セバスティアヌス』(1570年-1572年)
  • スペインによって救済される宗教』(1572年-1575年)
  • 『ピエタ』(1575年-1576年)
関連項目
  • カテゴリ カテゴリ
1470年代までの作品
  • 『ゲツセマネの祈り』(1458-1460年頃)
  • 『神殿奉献』(1460年頃)
  • 『祝福するキリスト(ルーヴル美術館)』(1460年代初頭)
  • ギリシャの聖母』(1460-1470年頃)
  • リーマンの聖母』(1470年頃)
  • 『ピエタ』(1465-1470年頃)
  • 『キリストの復活』(1475-1479年頃)
  • コンタリーニの聖母』(1475-1480年)
1490年代までの作品
1500年以降の作品
関連項目