ナショナルドラッグチェーン

ナショナルドラッグチェーンは、マツキヨココカラ&カンパニーハピコム(旧イオン・ウエルシア・ストアーズ)に代表されるドラッグストアの広域連合。

概説

競争が激化したドラッグストア業界では、一括大量仕入れによるコストの削減や商品の共同開発等のスケールメリットを求め、大手や地方中堅ドラッグストアが業務・資本提携したり、M&Aによる合併や子会社化が行われ、大きなグループ化が進んでいる。

大きなものとして、イオングループ主導のハピコム(旧イオン・ウエルシア・ストアーズ)と、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインの経営統合により発足したマツキヨココカラ&カンパニーという、2つのグループがある。このほかにも、十社会や当初のWINグループのように中堅や地方レベルのドラッグストアが連携する複数のグループが存在したが、現在は1つ以上の大手企業が参加するものが主流である。

チェーンの1つがグループから離脱して、他のグループ入りすることも少なくない。そんな中、WINグループに加盟する2社で構成されるココカラファイン ホールディングスが十社会に加盟するアライドハーツ・ホールディングスを合併。これにより、ジップドラッグとライフォートがWINグループに移籍したことで十社会の勢力が弱まり、ついに十社会は解散となった[1]。十社会に所属していた一部の企業はWINグループへ合流。

主なナショナルドラッグチェーン

ハピコム(旧イオン・ウエルシア・ストアーズ)

イオングループが主導するチェーングループ。2009年5月までは、イオン・ウエルシア・ストアーズという名称であった。

構成企業はイオン、ツルハホールディングスツルハくすりの福太郎ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本〈ウォンツ・ウェルネス〉、レデイ薬局杏林堂薬局ビー・アンド・ディードラッグイレブン)、ウエルシアホールディングスウエルシア薬局〈ウエルシア・ハックドラッグ・金光薬品〉、シミズ薬品丸大サクラヰ薬局よどやクスリのマルエ)、ウェルパーククスリのアオキザグザグメディカル一光(調剤専門薬局)の6社。

なお、2023年11月時点でハピコムには加盟していないが、ププレひまわりコクミンふく薬品も資本業務提携によりウエルシアホールディングスの子会社となっている。

マツキヨココカラ&カンパニー

2021年10月にマツモトキヨシホールディングスとココカラファインの経営統合により発足したチェーングループ。完全統合は行わずに、経営統合前のグループ体制を統括する2つの中間持株会社とそれぞれの傘下企業で構成される。

旧マツモトキヨシホールディングスからの新設分割により発足したマツモトキヨシグループには、傘下のマツモトキヨシぱぱすマツモトキヨシ東日本販売マツモトキヨシ九州販売マツモトキヨシ甲信越販売マツモトキヨシ中四国販売及び、マツモトキヨシと業務提携やFC契約を締結する企業(サッポロドラッグストアーコメヤ薬局中部薬品スーパーバリューオークワ、サンエーなど)が、ココカラファインから商号変更されたココカラファイングループには、傘下のココカラファインヘルスケア岩崎宏健堂、CFIZ(エイチ・ツー・オー リテイリングとの合弁会社)がある。

富士薬品グループ

富士薬品とその子会社のグループ。

構成企業は富士薬品、東海セイムス西日本セイムス、九州セイムス、オストジャパングループモリキユタカファーマシー協和商事、株式会社五十嵐薬品。

サンドラッググループ

サンドラッグが中心となるグループ。業務提携しているカワチ薬品を含めて「サンドラ・カワチ連合」と呼ばれる事もある。

構成企業はサンドラッグ及び子会社(サンドラッグプラス、星光堂薬局、ダイレックス)とFC契約企業(大屋いちやまマート)である[2]

WINグループ

2003年4月に結成されたグループ。2005年6月には株式会社WINドラッグを設立した。

2008年時点の構成企業は、コクミン、セイジョーセガミメディクス、ドラッグイレブン、龍生堂本店ミネ医薬品、一本堂、コダマ、ウエダ薬局(のちに離脱)、レデイ薬局、ウェルネス湖北の11社であった[3]。2011年には当時の加盟10社に新しく旧十社会の7社(ライフォートジップドラッグスズラン薬局ほか)を加え17社[4]であったが、2013年4月にはグループに加盟しているココカラファインの販売子会社5社が統合してココカラファインヘルスケアとなっている。同年10月にはココカラファインヘルスケアがコダマを合併した。同年11月には岩崎宏健堂がココカラファインの傘下となった。

2009年2月にはウェルネス湖北(2015年8月にハーティウォンツと合併し、ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本となる)、2015年10月にはレデイ薬局、2020年5月にはドラッグイレブン(当時はJR九州ドラッグイレブンで、2021年5月に以前の社名へ回帰)が相次いでハピコム系のツルハホールディングスの子会社となり、また2018年3月には一本堂が同じくハピコム系のウエルシアホールディングスの子会社(2019年3月にウエルシア薬局へ吸収合併)となりWINグループを外れている。

2021年10月には同グループの中枢企業であったココカラファインがマツモトキヨシホールディングスと経営統合、2022年6月にはコクミンがウエルシアホールディングスの子会社化に伴って順次離脱している。

グループの現状は不明だが共同事業会社のWINドラッグは2021年9月28日清算を結了した[5]

出典 

[脚注の使い方]
  1. ^ 十社会 22日の株主総会で解散を承認 - 流通ジャーナル 2010年10月26日(2010年11月11日閲覧)
  2. ^ グループ企業サンドラッグ
  3. ^ 九州のドラッグイレブン、WINグループに参画薬事日報2008年4月21日
  4. ^ ドラッグトピックス2011年2月14日号
  5. ^ 株式会社WINドラッグの情報国税庁 法人番号公表サイト

参考文献

  • 薬系業種大全2010
 
ナショナルドラッグチェーン
ハピコムグループ
マツキヨココカラ&カンパニー
グループ
富士薬品グループ
サンドラッググループ
WINグループ
ニチリウグループ
 
その他
 
消滅・撤退
  • パワーズドラッグ(富士薬品子会社モリキに吸収)
  • ドラッグトマト・ポテトカンパニー(ツルハに吸収)
  • アルファ(富士薬品子会社の後、東北セイムスに統合)
  • シバタ薬品
  • ジャストドラッグ(富士薬品の子会社になった後、関東セイムス(ジャストドラッグの旧ライズ店舗はモリキに移譲)に統合、屋号は継続)
  • 篠田薬局(富士薬品に事業譲渡)
  • シブヤ薬局(bigドラッグを経営していたがセイジョーに吸収合併)
  • いわい(セイジョーに事業譲渡)
  • コーエイ(住商ドラッグストアーズと経営統合)
  • 東京エコー(破産)
  • 信陽堂薬局(ツルハにドラッグ事業譲渡した後破産)
  • クスリのカツマタ(住商ドラッグストアーズに事業統合)
  • 村山快哉堂
  • ウイング湘南(アイロムロハスに店舗譲渡)
  • 仁天堂(店舗をリバースに譲渡)
  • ドラッグマックス・健康家族(ドラッグマックスに吸収、現マツモトキヨシ甲信越販売)
  • 中島ファミリー薬局(マツモトキヨシ甲信越販売に吸収、屋号は存続)
  • なかや(ウエルシア関東に経営統合)
  • ナガタ薬局(ウエルシア関東に吸収)
  • ドラッグフジイ(ウエルシア関東に吸収)
  • 薬のタムラ(富士薬品、後にモリキに事業統合)
  • くすりの寺田(ツルハに店舗譲渡)
  • 清水ドラッグストアー(倒産後サンドラッグが支援し太陽キャピタルとして経営 → サンドラッグ東海)
  • シーズアンドアーパス白沢ドラッグ東洋薬局(合併してジップドラッグ。屋号は存続)
  • レモン
  • 森山薬局
  • ドラッグストアキリン(東海セイムスに経営統合、屋号は継続)
  • ホップスドラッグ(松ノ木薬品と合併)
  • 松ノ木薬品・神薬堂・マルゼン(ライフォートに吸収)
  • 関西薬品(共栄ファーマシーズに店舗譲渡)
  • 國廣薬品(セガミメディクスに吸収合併)
  • 笹岡薬局 ドラッグコスモ21(西日本セイムスに経営統合、屋号は継続)
  • メディコ21(レデイ薬局と合併。屋号は存続)
  • くすりのありあけ(破産)
  • くすりのみよし(破産)
  • ABCドラッグ
  • 飯塚薬品(スギ薬局に吸収)
  • ニッショードラッグ(キリン堂に吸収)
  • 寺島薬局(ドラッグストア事業をウエルシア関東に事業譲渡、介護事業に特化してウエルシア介護サービスとなる)
  • スズラン薬局セイジョージップドラッグライフォート(セガミメディクスに吸収、現ココカラファインヘルスケア、各社の屋号は存続)
  • スパーク(ツルハに吸収)
  • モリス(ドラッグストア事業をモリスリテールに分社化した後、マツモトキヨシHDの子会社を経てマツモトキヨシ中四国販売に吸収)
  • コダマ(ココカラファインヘルスケアに吸収、屋号は存続)
  • 南天堂(破産)
  • ドラッグストアバイゴー(富士薬品に吸収、屋号は存続)
  • 倉持薬局(カワチ薬局に吸収、屋号は存続)
  • 高田薬局ウエルシア関西(ウエルシア薬局に吸収)
  • 関東セイムス(富士薬品に吸収)
  • ダルマ(マツモトキヨシ東日本販売に吸収)
  • イタヤマメディコ(マツモトキヨシ甲信越販売に吸収)
  • ラブドラッグス(マツモトキヨシ中四国販売に吸収)
  • タキヤ(ウエルシア薬局に吸収)
  • CFSコーポレーション(ウエルシア薬局に吸収)
  • 杉浦薬品(マツモトキヨシに吸収)
  • トウブドラッグ(マツモトキヨシへ会社分割により承継、法人はマツモトキヨシファーマシーズに吸収)
  • リバース(ツルハに吸収)
  • かもめ(ツルハに事業譲渡した後清算)
  • ウエダ薬品(ツルハに吸収)
  • エスロード(東北セイムスに吸収)
  • ノザキ薬品(九州セイムスに吸収、屋号は存続)
  • ドラッグ・オゾン(スマイルドラッグに吸収)
  • ニュードラッグ(クリエイトエス・ディーに吸収)
  • キリン堂薬局(親会社に事業譲渡の上ザグザグのフランチャイズ化)
  • 弘陽薬局(マツモトキヨシに吸収)
  • コヤマ薬局(サンメディックに吸収)
  • クラフト(ドラッグストア事業をサクラドラッグとして分社化しツルハに譲渡)
  • 東北セイムス(モリキに吸収)
  • 一本堂(ウエルシア薬局に吸収)
  • ジュンテンドー(ウエルシア薬局に事業譲渡)
  • 示野薬局(マツモトキヨシ甲信越販売に吸収、屋号は存続)
  • スマイルドラッグ(富士薬品に吸収)
  • 上新電機(ウエルシア薬局に事業譲渡)
  • 金光薬品(ウエルシア薬局に吸収)
カテゴリ カテゴリ