2021年カタールグランプリ (4輪)

カタールの旗 2021年カタールグランプリ
レース詳細
日程 2021年シーズン第20戦
決勝開催日 11月21日
開催地 ロサイル・インターナショナル・サーキット
カタールアッ=ザアーイン
コース長 5.380km
レース距離 57周 (306.660km)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:20.827
ファステストラップ
ドライバー オランダの旗 マックス・フェルスタッペン
タイム 1:23.196(57周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

2021年カタールグランプリ: 2021 Qatar Grand Prix)は、2021年のF1世界選手権第20戦として、2021年11月21日ロサイル・インターナショナル・サーキットで開催された。

正式名称は「Formula 1 Ooredoo Qatar Grand Prix 2021[1]

背景

サンパウロGP後のチャンピオンシップ順位
ドライバーズタイトルは、サンパウロGPで優勝したハミルトンがフェルスタッペンとの差を14ポイントまで縮めている。コンストラクターズタイトルでは、メルセデスが1位と3位、レッドブルが2位と4位だったことから、メルセデスがリードを11ポイントに広げている[2]
チャンピオンシップの行方
ドライバーズタイトルに関しては、カタールGPの結果によって、以下の状況となる。
  • ハミルトンは、フェルスタッペンとの差が17ポイント以上になった場合、自力でのタイトル獲得の可能性が消滅する[注 1]
  • フェルスタッペンは、ハミルトンとの差が27ポイント以上の状況となった場合、第21戦サウジアラビアGPでの同タイトル決定の可能性が浮上することとなる[注 2]
タイヤ
本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C1、ミディアム(黄):C2、ソフト(赤):C3の固めの組み合わせ[3]
DRS:1箇所[4]
  • DRS:ターン16から200m先より(ターン16の手前120m)
※()内は検知ポイント
その他

エントリーリスト

レギュラーシートについては前戦サンパウロGPから変更なし。

エントリーリスト
チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー パワーユニット
ドイツの旗 メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワンチーム 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス W12Eパフォーマンス M12Eパフォーマンス
77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス
オーストリアの旗 レッドブル・レーシング・ホンダ 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル RB16B RA621H
11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス
イギリスの旗 マクラーレンF1チーム 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド マクラーレン MCL35M M12Eパフォーマンス
4 イギリスの旗 ランド・ノリス
イギリスの旗 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 18 カナダの旗 ランス・ストロール アストンマーティン AMR21 M12Eパフォーマンス
5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル
フランスの旗 アルピーヌF1チーム 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ A521 E-Tech 20B
31 フランスの旗 エステバン・オコン
イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ1 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール フェラーリ SF21 065/6
55 スペインの旗 カルロス・サインツ
イタリアの旗 スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ 22 日本の旗 角田裕毅 アルファタウリ AT02 RA621H
10 フランスの旗 ピエール・ガスリー
スイスの旗 アルファロメオ・レーシング・オーレン 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン アルファロメオ C41 065/6
99 イタリアの旗 アントニオ・ジョヴィナッツィ
アメリカ合衆国の旗 ウラルカリ・ハースF1チーム 9 ロシア自動車連盟 ニキータ・マゼピン ハース VF-21 065/6
47 ドイツの旗 ミック・シューマッハ
イギリスの旗 ウィリアムズ・レーシング 63 イギリスの旗 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ FW43B M12Eパフォーマンス
6 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ
ソース:[6]
  • ^1 – EU圏外でのレースなのでチーム名にミッション・ウィノウが明記されている[7][8]

フリー走行

FP1[9]
11月19日 13:30 AST(UTC+3)
トップはマックス・フェルスタッペン。初開催のコースだったため、コースの習熟に取り組むセッションとなった。車を大きく破損させるクラッシュはなかったが、縁石に乗り上げてフロアやウイングなどを損傷する車が見られた。
FP2[10]
11月19日 17:00 AST(UTC+3)
トップはバルテリ・ボッタス。予選や決勝と同時刻帯で行われたセッション。レッドブル勢はDRS稼働時にフラップがバタつくトラブルが発生していた。
FP3[11]
11月20日 14:00 AST(UTC+3)
トップはバルテリ・ボッタス。2番手にルイス・ハミルトンが続き、メルセデス勢が1-2とした。このセッションでもレッドブル勢のDRSに不具合が発生しており、メカニックが作業する場面が見られた。


予選

11月20日 17:00 AST(UTC+3)(文章の出典[12]

ポールはルイス・ハミルトンで全セクターで最速だった。2番手にはマックス・フェルスタッペンだったが+0.455秒という大差がついたほか、Q2ではセルジオ・ペレスが敗退するなどレッドブル勢にとって厳しい結果となった。予選後にフェルスタッペンとボッタスに対し、黄旗無視によるグリッド降格ペナルティの裁定が下った[13]

予選結果

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:21.901 1:21.682 1:20.827 1
2 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 1:21.996 1:21.984 1:21.424 71
3 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:22.016 1:21.991 1:21.478 62
4 10 フランスの旗 ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 1:22.535 1:21.728 1:21.640 2
5 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 1:22.422 1:21.894 1:21.670 3
6 4 イギリスの旗 ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 1:22.839 1:22.216 1:21.731 4
7 55 スペインの旗 カルロス・サインツ フェラーリ 1:22.304 1:22.241 1:21.840 5
8 22 日本の旗 角田裕毅 アルファタウリ-ホンダ 1:22.458 1:22.058 1:21.881 8
9 31 フランスの旗 エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 1:22.565 1:22.012 1:22.028 9
10 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル アストンマーティン-メルセデス 1:22.549 1:22.146 1:22.785 10
11 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス レッドブル-ホンダ 1:22.398 1:22.346 11
12 16 カナダの旗 ランス・ストロール アストンマーティン-メルセデス 1:22.551 1:22.460 12
13 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:22.742 1:22.463 13
14 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 1:22.688 1:22.597 14
15 63 イギリスの旗 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 1:22.863 1:22.756 15
16 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 1:23.156 16
17 6 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 1:23.213 17
18 99 イタリアの旗 アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 1:23.262 18
19 47 ドイツの旗 ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 1:23.407 19
20 9 ロシア自動車連盟 ニキータ・マゼピン ハース-フェラーリ 1:25.859 20
107% time: 1:27.634
ソース:[14][15]
追記
  • ^1 – フェルスタッペンはダブル・イエローフラッグを無視したとして5グリッド降格ペナルティ[13]
  • ^2 – ボッタスはシングルイエローフラッグを無視したとして3グリッド降格ペナルティ[13]

決勝

11月21日 17:00 AST(UTC+3)(文章の出典[16]

優勝はルイス・ハミルトンで今季7勝目。2番手には7位スタートだったマックス・フェルスタッペン、3番手にはフェルナンド・アロンソ。アロンソの表彰台登壇は2014年ハンガリーGP以来7年ぶりで復帰後初となった。

7番手スタートのフェルスタッペンはスタート直後に4番手まで浮上し、5周目には2番手となった。レース中盤からタイヤトラブルが相次ぎ、ボッタスは左フロントのパンクによりコースオフ、レースへ復帰したものの48周目にリタイア。ウィリアムズ勢2台にも同様のトラブルが相次ぎ、ニコラス・ラティフィはピットへ戻れずリタイア。この車両回収のために残り3周でVSCが導入された。フェルスタッペンは再びソフトタイヤへ履き替え、VSC解除後にファステストラップを記録しボーナスポイントを獲得した。

レース結果

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 57 1:24:28.471 1 25
2 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 57 +25.743 7 19FL
3 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ-ルノー 57 +59.457 3 15
4 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス レッドブル-ホンダ 57 +62.306 11 12
5 31 フランスの旗 エステバン・オコン アルピーヌ-ルノー 57 +80.570 9 10
6 18 カナダの旗 ランス・ストロール アストンマーティン-メルセデス 57 +81.274 12 8
7 55 スペインの旗 カルロス・サインツ フェラーリ 57 +81.911 5 6
8 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール フェラーリ 57 +83.126 13 4
9 4 イギリスの旗 ランド・ノリス マクラーレン-メルセデス 56 +1 Lap 4 2
10 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル アストンマーティン-メルセデス 56 +1 Lap 10 1
11 10 フランスの旗 ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 56 +1 Lap 2
12 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド マクラーレン-メルセデス 56 +1 Lap 14
13 22 日本の旗 角田裕毅 アルファタウリ-ホンダ 56 +1 Lap 8
14 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 56 +1 Lap 16
15 99 イタリアの旗 アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 56 +1 Lap 18
16 47 ドイツの旗 ミック・シューマッハ ハース-フェラーリ 56 +1 Lap 19
17 63 イギリスの旗 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 55 +2 Laps 15
18 9 ロシア自動車連盟 ニキータ・マゼピン ハース-フェラーリ 55 +2 Laps 20
Ret 6 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 50 パンク 17
Ret 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 48 パンク/マシンダメージ 6
ソース:[17][18][19]

追記

  • ^FL - ファステストラップの1点を含む

第20戦終了時点のランキング

ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
1 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン 351.5
2 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン 343.5
3 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス 203
4 メキシコの旗 セルジオ・ペレス 190
5 イギリスの旗 ランド・ノリス 153
ソース:[20]
コンストラクターズ・チャンピオンシップ
順位 コンストラクター ポイント
1 ドイツの旗 メルセデス 546.5
2 オーストリアの旗 レッドブル-ホンダ 541.5
3 イタリアの旗 フェラーリ 297.5
4 イギリスの旗 マクラーレン-メルセデス 258
5 フランスの旗 アルピーヌ 137
ソース:[20]

DHLファステストラップアワード
順位 ドライバー 獲得数
1 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン 5
2 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン 5
3 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス 4
4 メキシコの旗 セルジオ・ペレス 1
5 フランスの旗 ピエール・ガスリー 1
ソース:[21]

  • :いずれもトップ5まで掲載。
  • :ファストテストラップアワードは同数の場合、カウントバック方式がとられている。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 残り2戦をフルポイント(26P)を獲得してもフェルスタッペンの成績次第となる。
  2. ^ 第21戦終了時にハミルトンがフルポイント(26P)の差以内にできなければ、自動的にフェルスタッペンの戴冠となる。

出典

  1. ^ “Qatar Grand Prix 2021 - F1 Race”. The Official F1 Website. 2020年11月15日閲覧。
  2. ^ “F1サンパウロGP決勝後ポイントランキング:フェルスタッペン、手痛い14点リード…アルファタウリ対アルピーヌは再び同点”. Formula1-Data (2021年11月15日). 2021年11月15日閲覧。
  3. ^ “初開催F1カタールGP!コース解説を通して勝敗の鍵を探る…レッドブル対メルセデス、どっちが有利?”. Formula1-Data (2021年11月18日). 2021年11月19日閲覧。
  4. ^ “2021 Qatar Grand Prix - Circuit Map.pdf” (英語). FIA.com. 2021年11月18日閲覧。
  5. ^ “アルファロメオF1、2022年シーズンはジョビナッツィに代わって周冠宇を起用。史上初の中国人F1ドライバーが誕生へ”. auto sport Web (2021年11月16日). 2021年11月16日閲覧。
  6. ^ 『F1速報 2021年9月16日号 2021年 第12戦 ベルギーGP号』株式会社三栄、2021年9月2日、73頁。 
  7. ^ “フェラーリ、『ミッション・ウィノウ』ロゴをEU圏のレースで使用せずも、フィリップ・モリスとは関係良好?”. jp motorsport.com (2021年6月24日). 2021年10月22日閲覧。
  8. ^ “2021 Qatar Grand Prix - Entry List.pdf” (英語). FIA.com. 2021年11月19日閲覧。
  9. ^ “ホンダ、初開催ロサイルで1-2発進…角田裕毅も5番手!縁石でダメージ多発 / F1カタールGP《FP1》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年11月19日). 2021年12月2日閲覧。
  10. ^ “ボッタスが最速!ガスリーがフェルスタッペン抑え2番手、角田裕毅も再び好タイム / F1カタールGP《FP2》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年11月19日). 2021年12月2日閲覧。
  11. ^ “ホンダ勢、3-5占拠もメルセデスと大差…赤旗マゼピンは2セッション喪失 / F1カタールGP《FP3》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年11月20日). 2021年12月2日閲覧。
  12. ^ “ハミルトン初代PP!フェルスタッペン窮地も「敵の直線速度は低下気味」とレッドブル / F1カタールGP《予選》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年11月21日). 2021年12月2日閲覧。
  13. ^ a b c “F1カタールGP速報:フェルスタッペンに5グリッド降格処分!ボッタスとサインツは…”. jp motorsport.com (2021年11月21日). 2021年12月1日閲覧。
  14. ^ “FORMULA 1 OOREDOO QATAR GRAND PRIX 2021 - QUALIFYING”. Formula 1 (2021年11月20日). 2021年12月1日閲覧。
  15. ^ “FORMULA 1 OOREDOO QATAR GRAND PRIX 2021 - STARTING GRID”. Formula 1 (2021年12月1日). 2021年11月20日閲覧。
  16. ^ “アロンソ7年ぶり登壇「やっとだ!」フェルスタッペン、ハミルトン逆転ならずも2位確保 / F1カタールGP《決勝》結果とダイジェスト”. Formula1-Data (2021年11月22日). 2021年12月2日閲覧。
  17. ^ “FORMULA 1 OOREDOO QATAR GRAND PRIX 2021 - RACE RESULT”. Formula 1 (2021年11月21日). 2021年12月1日閲覧。
  18. ^ “FORMULA 1 OOREDOO QATAR GRAND PRIX 2021 - FASTEST LAPS”. Formula 1 (2021年11月21日). 2021年12月1日閲覧。
  19. ^ 『F1速報2021年総集編』株式会社三栄、2021年12月28日、190頁。 
  20. ^ a b “Formula One 2021 Qatar Grand Prix Standings”. motorsportSTATS (2021年11月21日). 2021年12月1日閲覧。
  21. ^ “2021 DHL FASTEST LAP AWARD”. Formula 1 (2021年11月21日). 2021年12月1日閲覧。
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