火山砕屑物

サントリーニ島の海岸の露頭で見られるサントリーニ・カルデラの火砕物。豆粒状の火山礫の中にパン皮状火山弾(火山岩塊)がある。
川岸の急崖に露出したピナトゥボ山由来の火砕流堆積物

火山砕屑物(かざんさいせつぶつ、: pyroclastic material)とは、火山から噴出された固形物のうち、溶岩以外のものの総称。火砕物(かさいぶつ)[1]テフラ(英: tephra)ともいう。溶岩を含めないという点で、火山噴出物かざんふんしゅつぶつとは異なる。

火山砕屑物が固まった岩石火山砕屑岩という[2]

分類

大別して2種類の分類方法がある。

  • サイズによる分類。
    • 火山岩塊(英: volcanic block) - 粒径64ミリメートル (mm) 以上[2]で、溶岩のように連続していないもの。
    • 火山礫(英: lapilli) - 粒径64 - 2 mm[2]
    • 火山灰(英: volcanic ash) - 粒径2 mm以下[2]

この他、の大きさに相当するものを火山砂と呼ぶ場合もあるが、学術的には使わない[3]

  • 色、成分、成因等による分類。

脚注

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  1. ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、63頁。ISBN 4-8181-8401-2。 
  2. ^ a b c d 天野・秋山 2004, p. 132.
  3. ^ 火山砂(読み)かざんさ(英語表記)volcanic sand, volcaniclastic sand コトバンク、2022/1/24閲覧

参考文献

  • 天野一男、秋山雅彦 著「D-1-3 岩石の分類」、日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会編 編『フィールドジオロジー入門』共立出版〈フィールドジオロジー〉、2004年、131-132頁。ISBN 4-320-04681-1。 
  • 加藤祐三『軽石 海底火山からのメッセージ』八坂書房、2009年。ISBN 978-4-89694-930-8。 

関連項目

外部リンク

  • 佐々木実 (2008年6月15日). “火山砕屑物と火砕岩の分類”. 地質調査法実習 2008. 弘前大学理工学部地球環境学科. 2012年9月21日閲覧。
砕屑物と砕屑岩
粒径 (mm) 砕屑物 砕屑岩 火山砕屑物 火山砕屑岩
64 以上 礫岩 火山岩塊 火山角礫岩凝灰角礫岩
64 - 2 火山礫 ラピリストーン、火山礫凝灰岩
2 - 116 砂岩 火山灰 凝灰岩
116 - 1256 シルト シルト岩 泥岩
1256 以下 粘土 粘土岩
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