ヨシゴイ

ヨシゴイ
ヨシゴイ
ヨシゴイ Ixobrychus sinensis
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ペリカン目 Pelecaniformes
亜目 : サギ亜目 Ardeae
: サギ科 Ardeidae
亜科 : サンカノゴイ亜科 Botaurinae
: ヨシゴイ属 Ixobrychus
: ヨシゴイ I. sinensis
学名
Ixobrychus sinensis (Gmelin, 1789)
和名
ヨシゴイ
英名
Chinese little bittern
Yellow bittern

ヨシゴイ(葦五位、葭五位、Ixobrychus sinensis)は、ペリカン目サギ科ヨシゴイ属に分類される鳥類

分布

種小名sinensisは「中国産の」の意。

インドインドネシアオマーンカンボジアシンガポールスリランカソロモン諸島タイ大韓民国中華人民共和国台湾朝鮮民主主義人民共和国日本パキスタンパプアニューギニアパラオバングラデシュフィリピンブルネイベトナムマーシャル諸島マレーシアミクロネシア連邦モルジブラオスロシア

日本には夏季に繁殖のため飛来(夏鳥)するが、本州中部以南では越冬例もある。

形態

全長31-38cm。翼開張53cm。上面は褐色、下面は淡黄色の羽毛で覆われる。小雨覆や中雨覆、大雨覆の色彩は淡褐色、初列雨覆や風切羽の色彩は黒い。

虹彩は黄色。嘴の色彩はオレンジがかった黄色。

幼鳥は下面が白い羽毛で覆われ、全身に褐色の縦縞が入る。オスは額から頭頂にかけて青みがかった黒い羽毛で覆われる。また頸部から胸部にかけて不鮮明な淡褐色の縦縞が1本入る。 メスは額から頭頂にかけて赤褐色の羽毛で覆われ、額に暗色の縦縞が入る個体もいる。また頸部から胸部にかけて不鮮明な褐色の縦縞が5本入る。

生態

水中の魚を捕食するために頸部を伸ばしている。

湿原水田などに生息する。ヨシ原に生息することが和名の由来。単独もしくはペアで生活する。薄明薄暮性。開けた場所には現れず、ヨシ原を低空飛行し獲物を探す。危険を感じると上を見上げて頸部を伸ばし、静止したり左右に揺れる。これにより下面の斑紋がヨシの草と見分けづらくなり、擬態すると考えられている。

食性は動物食で、魚類両生類昆虫甲殻類などを食べる。水辺や植物の茎の間で獲物を待ち伏せし、通りかかった獲物を頸部を伸ばして捕食する。

繁殖形態は卵生。茎や葉を束ねた皿状の巣に、日本では5-8月に3-7個の卵を産む。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は17-20日。雛は孵化後約15日で巣立つ。

人間との関係

開発による生息地の破壊などにより生息数は減少している。

準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト

画像

  • 飛翔時
    飛翔時
  • 1)鳴かず給餌に幼鳥を探す親
    1)鳴かず給餌に幼鳥を探す親
  • 2)親に気づき繁みから出た幼鳥
    2)親に気づき繁みから出た幼鳥
  • 3)幼鳥への給餌
    3)幼鳥への給餌

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、ヨシゴイに関連するメディアがあります。
ウィキスピーシーズにヨシゴイに関する情報があります。
  • サギ科
    • サンカノゴイ亜科
      • ヨシゴイ属

ゴイサギ

参考文献

  • 安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、山と渓谷社2008年、337頁。
  • 環境庁 『日本産鳥類の繁殖分布』、大蔵省印刷局1981年頁。
  • 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版2000年、70-71頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥I』、平凡社1986年、180頁。
  • 高野伸二編 『山渓カラー名鑑 日本の野鳥 特装版』、山と渓谷社、1985年、40-41頁。
  • 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会2007年、106-107頁。
  • 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社1984年、131、228-229頁。
  • 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、57頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、22頁。

外部リンク

  • IUCN Red List - Home Page -
    • BirdLife International 2008. Ixobrychus sinensis. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2009.1.
  • 環境省 自然環境局 生物多様性センター
    • 生物多様性情報システム
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