ドクチョウ亜科

ドクチョウ亜科 Heliconiinae
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目(チョウ目) Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: タテハチョウ科 Nymphalidae
亜科 : ドクチョウ亜科 Heliconiinae
学名
Heliconiinae
Swainson,1822
シノニム
  • Heliconiidae Swainson, 1822

ドクチョウ亜科学名Heliconiinae)は、一般にheliconiansまたはlongwingsと呼ばれ、タテハチョウ科(Brush-footed butterflies)の亜科の1つである。

この亜科は、45~50属に分けることができ、アゲハチョウ上科の別の科Heliconiidaeとして扱われることもあった。

色は主に赤みがかった黒で、翼の形はさまざまだが、前翅は常に先端に向かって伸びているため、この通称になっている。

この亜科のほとんどは熱帯地方、特に南アメリカで見られる。

旧北区(東アジアの大部分(日本のトカラ列島悪石島以北、中国の秦嶺山脈以北、朝鮮半島、台湾)、北アジアおよび中央アジア、中東(アラビア半島南部およびイラン南部は除く)、ヨーロッパを含むヒマラヤ山脈以北のユーラシア大陸および北アフリカ(サハラ砂漠以北))と新北区(北アメリカ大陸のうち、メキシコ北部以北)では、ヒョウモンチョウ族だけが非常に多様である。

特に熱帯種の幼虫は、有毒植物、特徴的にはトケイソウ科のつる植物を食べ、自分自身が有毒になる。 成虫の蝶は、強い警告色で後天的な毒性を表し、捕食者に警告する。

このグループ内と他の蝶の両方で、ベイツ型擬態ミューラー型擬態の有名な事例がいくつかある。

他の一般的に見られる食用植物は、マメ科(これもいくつかの有毒種を含む)とスミレ科の植物である。[2]

分類

ドクチョウ亜科では一般に4族が認識されている[3]

かなり確実に見えるのは、ヒョウモンチョウ族とオナガタテハ族がドクチョウ亜科の他の2つの族よりも近親であるということである。

一部の族はいくつかの大陸に分布しているため、系統地理学のパターンが混乱している。

族および属

オビモンドクチョウ
Dryadula phaetusa
(ドクチョウ族)
ホソバヒョウモン
Boloria thore
(ヒョウモンチョウ族)
ヒョウモンチョウ
Brenthis daphne
(ヒョウモンチョウ族)

属は、推定される系統発生順で示す。 属の記事が存在しない場合は、注目すべき種を示す。

和名徳重, 森 & 福崎 (2020) による。

Acraeini Boisduval, 1833 ホソチョウ族

  • Abananote Potts, 1943
  • Actinote Hübner, 1819 ナンベイホソチョウ属
  • Altinote Potts, 1943
  • Acraea Fabricius, 1807 ホソチョウ属 (側系統群)
  • Bematistes Hemming, 1935
  • Cethosia Fabricius, 1807 ハレギチョウ属 – lacewings
  • Miyana Fruhstorfer, 1914 (暫定的配置)

Heliconiini Swainson, 1822 ドクチョウ族

  • Agraulis Boisduval & Le Conte, 1835 ヒョウモンドクチョウ属 - ヒョウモンドクチョウ
  • Dione Hübner, 1819 ウラギンドクチョウ属
  • Dryadula Michner, 1942 オビモンドクチョウ属 – banded orange - オビモンドクチョウ
  • Dryas Hübner, [1807] チャイロドクチョウ属
  • Eueides Hübner, 1816 ヒメチャイロドクチョウ属
  • Heliconius Kluk, 1780 ドクチョウ属 – brush-foot butterflies - ヌマタドクチョウ(Heliconius numata)、アカスジドクチョウ(Heliconius erato)など
  • Philaethria Billberg, 1820 アサギドクチョウ属
  • Podotricha Michener, 1942 キオビドクチョウ属

Vagrantini Pinratana & Eliot, 1996 オナガタテハ族

  • Lachnoptera Doubleday, 1847
  • Phalanta Horsfield, 1829 ウラベニヒョウモン属 - ウラベニヒョウモン(Phalanta phalantha)、ヒメウラベニヒョウモン(Phalanta alcippe)など
  • Smerina Hewitson, 1874
  • Vindula Hemming, 1934 チャイロタテハ属 – cruisers
  • Cirrochroa Doubleday, 1847 ネッタイヒョウモン属 - Cirrochroa tycheなど
  • Algiachroa Parsons, 1989
  • Algia Herrich-Schäffer, 1864
  • Terinos Boisduval, 1836 ビロードタテハ属
  • Cupha Billberg, 1820 ニシキキマダラタテハ属 - Cupha erymanthisなど
  • Vagrans Hemming, 1934 オナガタテハ属

Argynnini Duponchel, 1835 ヒョウモンチョウ族

脚注

  1. ^ a b c d 徳重, 森 & 福崎 2020.
  2. ^ Silva-Brandão et al. (2008)
  3. ^ Heliconiinae - funet.fi

参考文献

  • 徳重, 哲哉; 森, 正人; 福崎, 一彦 (2020). 小林平一コレクション 昆虫編7 タテハチョウ科(3). 姫路科学館収蔵資料目録. 9. 姫路科学館. ISSN 2185-7512. https://www.city.himeji.lg.jp/atom/research/nature/mokuroku/catalog-HCSM09.pdf 
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