ザイフェルト行列

ある与えられた有向ザイフェルト曲面 F 上の(整係数)一次元ホモロジー群 H 1 ( F ; Z ) {\displaystyle H_{1}(F;\mathbb {Z} )} 中の任意の二つの元 x, y に対し、それらの纏絡数 (linking number) を対応させる線形写像 φ : H 1 ( F ; Z ) × H 1 ( F ; Z ) Z {\displaystyle H_{1}(F;\mathbb {Z} )\times H_{1}(F;\mathbb {Z} )\rightarrow \mathbb {Z} } を考える(これをザイフェルト形式と呼ぶ)。ただし、ここで x, y の纏絡数とは、 x を曲面の表方向に少し浮かせたものと y (あるいは y を裏の方に浮かせたものと x )との纏絡数とする。ホモロジー群の一つの基底{ s i {\displaystyle s_{i}} }に関するザイフェルト形式の表現行列 V ϕ {\displaystyle V_{\phi }} F の(基底{ s i {\displaystyle s_{i}} }に附随した)ザイフェルト行列という。したがってそれは基底の取り方に依存するが、ザイフェルト曲面 Fベッチ数β としたとき、いずれも β 次の正方行列となる。 F がある有向絡み目 L のザイフェルト曲面であるとき、 V ϕ {\displaystyle V_{\phi }} L の(ザイフェルト曲面 F 及び基{ s i {\displaystyle s_{i}} }についての)ザイフェルト行列という。