クロノス (時間の神)

クロノス古代ギリシャ語: Χρόνος, ラテン文字転写: Chronus)は、「時」を神格化したもの。シュロスのペレキューデースによって創作されたで、彼の Heptamychia に登場する。ヘーシオドスの『神統記』を初め、アポロドーロスヒュギーヌスらによる通常のギリシア神話には見られない。カオスから生じた原初神であるという説[1]がある。

ティーターネース(巨神族)の農耕の神・Κρόνοςとは、カナ書きすると同じ「クロノス」となり、英語での発音も同じ、ギリシア語での発音もほぼ同じ[2]なため、しばしば混同されるが、両者は本来、全く別の神である。

この時間神クロノスと、やはりギリシア神話の神カイロスという2つの言葉は、元々は「時」を表す一般名詞である。καιρός(カイロス)は「時刻」、χρόνος (クロノス)は「時間」を、それぞれ意味する。

chronometer(クロノメーター)、chronology(年代学)、chronicle(年代記)、synchronize(同調させる)、anachronism(時代錯誤)、chronic disease(持病)などは、こちらのクロノスに由来する[3]

脚注

  1. ^ 英語版のテンプレートでも "primordial deities"(原初神)に掲げられているが、前述の通りシュロスのペレキューデースのほかは、ヘーシオドスの『神統記』などには見えない。また、「カオスから生じた」のであれば、それは原初神とは言えない。
  2. ^ 古典ギリシア語においてκ無気音χ帯気音を表していたが、砕けた発音ではしばしば気息は無視された。因みに、現代ギリシア語では、κとχはそれぞれ無声軟口蓋破裂音無声軟口蓋摩擦音となっている。
  3. ^ 尾崎太一「時間は存在するのか」『Newton』第44巻第3号、ニュートンプレス、2024年1月26日、71頁、ISSN 0286-0651、JAN 4910070470343 

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