みにくいあひるの子 (1939年の映画)

曖昧さ回避 この項目では、1939年のリメイク版について説明しています。1931年のオリジナル版については「みにくいあひるの子 (1931年の映画)(英語版)」をご覧ください。
ポータル ディズニー
みにくいあひるの子
Ugly Duckling
監督 ジャック・カッティング(英語版)
クライド・ジェロニミ
原作 ハンス・クリスチャン・アンデルセン
みにくいアヒルの子
製作 ウォルト・ディズニー
出演者 クラレンス・ナッシュ
音楽 アルバート・ヘイ・マロッテ(英語版)
製作会社 ウォルト・ディズニー・プロダクション
配給 RKO
公開 アメリカ合衆国の旗 1939年4月7日
スウェーデンの旗 1939年12月8日
イタリアの旗 1951年8月20日
上映時間 8分9秒
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
前作 働き子ぶた(英語版)
テンプレートを表示

みにくいあひるの子』(みにくいあひるのこ、原題: Ugly Duckling)は、1939年のシリー・シンフォニー短編アニメ作品ハンス・クリスチャン・アンデルセンによる1843年の童話『みにくいアヒルの子』を原作に、ジャック・カッティング(英語版)クライド・ジェロニミが監督を、音楽はアルバート・ヘイ・マロッテ(英語版)が務めた[1]

1931年のオリジナル版(英語版)ではモノクロで製作されていた。1939年のリメイク版のカラー作品は、1940年の第12回アカデミー賞アカデミー短編アニメ賞を受賞し[2]『シリー・シンフォニー』シリーズの75作目にして最後の作品となった。

アンデルセンの物語では、1羽のひながマガモの家族の元で生まれるが、容姿や鳴き声の違いから相手にされない。結果的に、彼は美しいハクチョウに成長し、幸せに暮らす。このバージョンでは、ハクチョウの苦しみの時間が短縮され、丸1年ではなく、わずか数分後にハクチョウの家族に発見される。この短縮版は、2002年のディズニー映画『リロ・アンド・スティッチ』の中で、リロがスティッチに読み聞かせる。この物語はスティッチに深い衝撃を与え、彼は本当の家族を探す旅に出る。

ストーリー

アヒルの両親の元に4羽の子供が生まれた。しかし、5個目の卵が孵化し、容姿が異なる白い子供が姿を現す。父アヒルはこのことで母アヒルと口論になり、母アヒルに平手打ちされた後、2人は別々の道を歩むことを余儀なくされる(父アヒルが母アヒルをハクチョウと浮気していると非難していることが暗示されている)。

みにくいアヒルの子はアヒルの家族の一員になろうとするが、家族は彼に背を向ける。そこで鳥の家族の一員になろうとし、アヒル狩りのおとりとも仲良くなろうとするが、失敗する。アヒルの子は泣き崩れ、母ハクチョウとその雛が近づいてくるまで泣く。アヒルの子は自身がハクチョウであることを教えられ、この家族の一員となり、受け入れられる。

母アヒルとその子アヒルは、彼が何者であるか、そして彼が何になる可能性を秘めているかに気づいて驚く。彼らは、みにくいアヒルの子に自分たちのところに戻ってくるよう誘うが、彼はそれを断り、誇らしげに新しい家族とともに泳ぎ去る。

封切り

ホームメディア

アメリカでは、2001年12月4日にリリースされた『ウォルト・ディズニー・トレジャーズ: シリ―・シンフォニー(英語版)』に収録された[3]。アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、イギリスではDVDに収録された[4]。また、Disney+でも、復元された『シリー・シンフォニー』のタイトルカード付きで視聴できる。

日本では、2012年9月5日にブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントよりリリースされた『シリー・シンフォニー 限定保存版』に本編が収録された[5][6]

コミック化

シリー・シンフォニー』サンデー・コミックは、1939年3月26日から4月16日まで、本作を1ヵ月にわたって連載した[7]

作品の評価

フィルム・デイリー(英語版)』は、「ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話がアニメ化され、耳と目を楽しませてくれる。この物語は羽の生えた家族にまつわるものだが、このディズニーの短編には本物の感情と哀愁が溶け込んでいる」と書いた[8]

その後の出演

東京ディズニーリゾート30周年記念パレード「ハピネス・イズ・ヒア」の「美しさ」を表現したユニットに、アヒルの子が徒歩キャラクターとして登場した。それに続くディズニープリンセスたちが乗ったフロートは、母ハクチョウがモチーフとなっている。本作のキャラクターが東京ディズニーリゾートに登場するのはこれが初となった[9]

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ100周年記念作品『ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-』では、アヒルの子が最後の記念写真の場面のみに登場した[10]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ “The Ugly Duckling”. www.bcdb.com. 2024年1月16日閲覧。
  2. ^ “1940 | Oscars.org | Academy of Motion Picture Arts and Sciences” (英語). www.oscars.org. 2024年1月16日閲覧。
  3. ^ “Walt Disney Treasures: Silly Symphonies DVD Review - Page 1 of 2”. dvdizzy.com. 2024年1月16日閲覧。
  4. ^ “The Ugly Duckling - The Encyclopedia of Disney Animated Shorts”. www.disneyshorts.org. 2024年1月16日閲覧。
  5. ^ “ドナルドダックの原点!1934年の初登場映像収録!ディズニー『ファンタジア』の原点となった傑作短編集|シネマトゥデイ”. シネマトゥデイ (2011年4月25日). 2024年1月11日閲覧。
  6. ^ (日本語) シリー・シンフォニー 限定保存版|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式, https://www.disney.co.jp/studio/animation/0466 2024年1月11日閲覧。 
  7. ^ Karp, Hubie; Grant, Bob; De Maris, Merrill; Taliaferro, Al; Porter, Hank (2018). Silly Symphonies: The Complete Disney Classics, vol 3. San Diego: IDW Publishing.
  8. ^ The Film Daily (1938-10). The Film Daily (Oct-Dec 1938). MBRS Library of Congress. Wid's Films and Film Folk, inc.. http://archive.org/details/filmdail74wids 
  9. ^ “ラプンツェル、ディズニーパレードに初登場 30周年でかわゆすぎる新キャラ続々 - モデルプレス”. モデルプレス - ライフスタイル・ファッションエンタメニュース (2013年4月11日). 2024年1月16日閲覧。
  10. ^ Reif, Alex (2023年10月17日). “Disney’s “Once Upon a Studio” – List of Characters in Order of Appearance” (英語). LaughingPlace.com. 2024年1月15日閲覧。

外部リンク

1920年代
1929年

骸骨の踊り | おそろしい闘牛士 | 春 | 地獄の悪魔退治 | 森の小人

1930年代前半
1930年

夏 | 秋 | 人喰い族の踊り | 夜 | 海底のファンタジー | 北極の道化者 | 真夜中のおもちゃ屋 | モンキーメロディー | 冬の夜 | 森の妖精

1931年

共同作戦異常なし | 童話行進曲 | 桃源の夢 | カワウソ物語 | 恐怖の一夜 | エジプトの夢 | 夜の時計店 | クモとハエ | キツネ狩り | みにくいあひるの子

1932年

バードショップ狂騒曲 | クマとハチ | ワンちゃん放浪記 | 花と木 | 海の王ネプチューン | 昆虫救助隊 | 魔法使いの森 | サンタのオモチャ工房

1933年

小鳥の冒険 | ノアの箱船 | 三匹の子ぶた | おとぎ王国 | 子守歌 | ハーメルンの笛吹き | サンタのプレゼント

1934年

真夜中の舞踏会 | アリとキリギリス | 楽しい復活祭 | 赤ずきんちゃん | かしこいメンドリ | 空飛ぶネズミ | フグとペンギン | 春の女神

1930年代後半
1935年

うさぎとかめ | 黄金の王様 | 子猫の武勇伝 | 蓮池の赤ん坊たち | クッキーのカーニバル | 誰がコック・ロビンを殺したか | 音楽の国 | 三匹の親なし子ねこ | 踊るニワトリ | 捨てられた人形

1936年

子ぞうのエルマー | オオカミは笑う | うさぎとかめと花火合戦 | ネズミ三銃士 | 田舎のねずみ | プルートはお母さん | いたずら子猫

1937年

森の音楽会 | 小さなハイアワサ | 風車小屋のシンフォニー

1938年

モスの消防隊 | 子どもの夢 | 田園交響楽 | 人魚の踊り

1939年

ハリウッドのマザーグース | 働き子ぶた | みにくいあひるの子

1932–1950
1951–1975
1976–2000
2001–2020
2021–現在
  • The Windshield Wiper(2021)
  • ぼく モグラ キツネ 馬(2022)
  • War Is Over! Inspired by the Music of John and Yoko(2023)